この記事から得られること
この記事では、UIデザインの市場調査である「UIリサーチ」の概要について解説します。
なお、この記事は「約4〜6分」で読める内容となっています。
この記事の前提
この記事では「UIリサーチ」について解説しますが、「UIリサーチ」という表現はあまり一般的ではないかもしれないということ、ご認識おきください。
その理由は、私が知っている限り「UIリサーチ」について書かれた書籍やWebコンテンツなどはあまり見たことがなく、一般的な言い方として定義されていないと思われるからです。
ただ、この記事上では「UIリサーチ」という表現で統一して説明していますので、ご理解いただければと思います。
なお、この記事では、スマホアプリの「UIリサーチ」を例に解説しています。
UIデザインの市場調査「UIリサーチ」とは?
「UIリサーチ」とは「世の中にあるUIデザインの市場調査」のことであり、UIデザインにおいて重要な業務のひとつです。
例えばスマホアプリの「UIリサーチ」の場合、世の中に公開されているアプリをダウンロードして実際に使用し、どのようなUIの構成となっているか、ボタンにはどのような文言を使用しているか、などを調べます。
新規の開発プロジェクトでは、多くの時間を割いて綿密にUIリサーチを行うことが多いため、UIリサーチの知識やスキルは重要であると、私は考えています。
UIリサーチの目的は?
UIリサーチの目的は「世の中にあるUIデザインを知り、自分のUIのデザインに活かすこと」です。
もう少し具体的にお話しますと、例えば、以下のような目的があります。
- UIデザインのトレンドや特徴を知る
- 実際にUIで使用されている文言を知る
- どのようなエラーUIを採用しているか、その傾向を知る
そして、UIリサーチを行ったのち、その調査結果を参考資料の1つとして、実際のUIのデザインを行っていきます。
実際にデザインする際は、UIリサーチの結果だけでなく、マーケティング戦略、UXリサーチの結果や、ユーザビリティテストの結果、UIデザインガイドラインなども活用し、総合的にデザインしていきます。
UIリサーチができるようになるメリットは?
UIリサーチのスキルを身に着けて経験を積むことによって、世の中にあるさまざまなUIを見たときに「どのようなコンセプトや目的で、このようなUIにしているのか」を理解しやすくなるというメリットがあります。
つまり、「世の中にあるUIデザインすべてが教材になる」ということを意味し、世の中のUIデザインに対する視点と理解の深さが大きく変わると私は考えています。
調査する具体的なタイミングは?
基本的には、新規でUIをデザインする際にUIリサーチを行います。
特に今まで開発したことのないジャンルのUIをデザインする際は、入念に調査するケースが多いです。
UIリサーチは具体的にどのように行う?
UIリサーチの詳しい方法は別記事で解説しますが、例えば、メモ帳のスマホアプリのUIリサーチを行う場合、世の中に出ているメモ帳のスマホアプリをインストールし、それぞれ実際に使ってUIを見ていきます。
使っていく中で、それぞれのアプリの共通するUIの比較や、どのような文言を使用しているか、などを調査します。
複数のアプリのUIを見てみることによって、そのジャンルのUIのトレンドや、各社のUIの特徴などが見えてきます。
WebなどでUIのキャプチャを探してUIリサーチするのはどう?
「1画面単体のレイアウト構成」だけを調査したいときは、Web上でキャプチャを探して調査するのは問題ないと思います。
ただ、キャプチャだけで以下のような要素を調べることはなかなかできません。
- UIのフロー
- 設定を変えたときのUIや文言の変化
- エラー画面
- 画面遷移時の処理速度
- 画面遷移時のアニメーション
そこで、実際にアプリを使って行う「UIリサーチ」が必要になってくるのです。
UIリサーチを学ぶのにおすすめに書籍は?
私が知る限り、UIリサーチの具体的な方法について解説された書籍やWebコンテンツなどは今まで見たことがありません。
UIリサーチは実際の業務のなかで身に着けることが多く、企業やチームによっても様々な方法があるため、明確な方法として確立していないのかもしれません。
スキルを身に着けるのは難しい?
UIリサーチの取り組み自体は難しくはありませんが、エラー系などのUIの調査は、再現手順を見つけることが難しいため、ある程度の経験則が必要となってきます。
また、UIリサーチを進める上で、いろいろと試してみる「好奇心のような考え方」は必要かもしれません。
まとめ
UIリサーチのスキルを身に着けるということは「世の中のUIデザインすべてが教材になる」ことを意味し、世の中のUI全てが教材になるため、UIデザインにおいてかなり重要なスキルだと個人的には思っています。
また、実際の業務でも頻繁にUIリサーチは行うため、勉強としてぜひ試してみることをおすすめします。
なお、別の記事で、UIリサーチに必要な準備や、具体的な調査方法などを解説する予定です。
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回の記事は以上です。
この内容がみなさんのUIデザインの勉強になりましたらうれしいです。
引き続き、UIデザインの勉強を一緒にしていきましょう。