この記事から得られること
この記事では、UXデザインのプロセスの1つである「ユーザーインタビュー」の質問手法「ラダーリング(Laddering)」について学ぶことができます。
なお、この記事は「約2〜4分」で読める内容になっています。
「ラダーリング」とは?
「ラダーリング(Laddering)」とは、ユーザーインタビューで活用される質問手法の1つであり、「インタビュー被験者(以下、被験者)の回答に対して複数の観点で深堀りをしていく」質問手法のことです。
また、「Laddering」は直訳すると「はしご法」となり、ユーザーの回答に対して「はしごをかける」ように、いろいろな回答を引き出していきます。
そして、「ラダーリング」には「ラダーアップ」と「ラダーダウン」の2種類の質問方法があります。
それでは、それぞれの質問方法について解説します。
ラダーアップとは?
「ラダーアップ(Ladder up)」とは、被験者からの回答に対して「そのときどのように感じましたか?」「そのときどのようなことを考えましたか?」といった被験者の「心理的感情」に関して深堀りし、質問していく手法です。
英語で言いますと「How did you feel about ~?」に近い意味合いになります。
例えば、「カフェで飲んだコーヒー」についてユーザーインタビューをし、被験者が「コクがあり、おいしかった」と回答をした場合、
「コーヒーを飲んだとき、味について他にどんなことを感じましたか?」
「コーヒーを飲んだ瞬間は、どんなことを考えていましたか?」
といった質問をおこなうことによって、被験者の「心理的感情」を深く理解することができます。
ラダーダウンとは?
「ラダーダウン(Ladder down)」とは、被験者の回答に対して「そのとき周りにはどんなものがありましたか?」「周りの方々の反応はどんなものでしたか?」など、回答に対する「周りの環境」について質問していく方法です。
英語で言いますと「What?」「Where?」「How?」「Whom?」「How much?」に近いイメージです。
例えば、再び「カフェで飲んだコーヒー」についてユーザーインタビューをし、被験者が「天気の良い日に飲みました。」と回答をした場合、
「気温はいかがでしたか?」
「そのとき、あなたの周りにはどんなものがありましたか?」
「そのときは誰かと一緒に飲みましたか?」
といった質問をおこなうことによって回答に対する「周りの環境」を深く理解することができます。
もし周りの環境をさらに詳しく知りたい場合、例えばカフェの店内のレイアウトを詳しく知りたい場合は、紙にそのレイアウトを描いてもらうのも手だと思います。
まとめ
繰り返しとはなりますが、「ラダーリング」とはユーザーインタビューで活用される質問手法の1つであり、「被験者の回答に対して複数の観点で深堀りをしていく」質問手法のことです。
そして「ラダーリング」には「ラダーアップ」と「ラダーダウン」の2種類の質問方法があり、それぞれ以下のかたちで質問をします。
- ラダーアップ:被験者の「心理的感情」を深堀り
- ラダーダウン:「周りの環境」を深堀り
そして、「ラダーアップ」「ラダーダウン」それぞれの視点で、被験者の回答を深堀りすることによって、被験者自身が気付いていなかった「そのときの感情」や「周りの環境」を引き出すことができます。
ユーザーインタビューを行う際はぜひこの「ラダーリング」を活用して、被験者の回答を深堀りし、引き出してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回の記事は以上です。
この内容がみなさんのUXデザインの勉強になりましたらうれしいです。
引き続き、UXデザイン・UIデザインの勉強を一緒にしていきましょう。