この記事から得られること
この記事では、UXデザインのプロセスの1つである「ユーザーインタビュー」開始時のインタビュアー(インタビューする側)の必須テクニック「ラポールの形成(Rapport)」について学ぶことができます。
なお、この記事は「約3〜5分」で読める内容になっています。
「ラポールの形成」とは?
「ラポール(Rapport)」とは、フランス語が語源で「架け橋」という意味であり、「ユーザーインタビューの被験者(以下、被験者)」との「信頼関係」のことを意味しています。
そして「ラポールの形成」とは、ユーザーインタビューの開始時に「被験者との信頼関係を築くこと」であり、被験者にリラックスした状態で、インタビューに参加してもらうための重要なプロセスとなります。
なぜインタビューの開始時に「ラポールの形成」が必要?
基本的に被験者は、慣れないインタビューで緊張しているケースが多いです。
そのため「ラポールの形成」は、その被験者の緊張をほぐすことを目的としています。
被験者が緊張した状態のままインタビューを進めますと、「普段の考えや行動」を取らないケースがあるため、ユーザーインタビュー開始時の「ラポールの形成」はとても重要なプロセスとなります。
具体的にどんな風に「ラポール」を形成すればよい?
「ラポールの形成」の簡単な方法としては、インタビューを始める前に、被験者と「世間話」をおこなうことがあります。
例えば、
「本日は少し寒いですが、天気がよいですね。」
「ここにいらっしゃるまでに迷いませんでしたか?」
などの「当日に関するお話」をしたり、「インタビューのテーマとは異なるお話」をすることをおすすめします。
そのほかにも、もう少し踏み込んだお話ができそうな場合は、例えば、
「そのブランドの小物、私も持っていますよ。」
「その腕時計、すてきですね」
など「身につけているものや持ち物」に対して話題をふるのも良いと思います。
そのほかにも、飲み物を準備したり、お菓子を準備しておくことも、被験者がリラックスすることに効果があります。
なお、飲み物の場合は持ち帰れるように「ペットボトル」、お菓子の場合も持ち帰れるように「個包装のお菓子」にすることをおすすめします。
「ラポールの形成」でさらに意識すべきことは?
世間話をある程度おこない、被験者がリラックスできれば「ラポールの形成」としては成功となりますが、さらに「ラポールの形成」に取り組みたい場合は、以下の「ラポールの3原則」を意識することをおすすめします。
原則1:相手を尊重すること
まずは、相手のことを尊重することが重要です。
そして、相手が話しているときは傾聴することが重要です。
原則2:類似性・行動の同調
人は行動や好みが一致すると、親近感が高まる特徴があります。
原則3:ページングとリーディング
「ページング」とは、相手の話し方や話すペースに合わせて自分が話すことです。
例えば、相手の話すペースがゆっくりな場合は、インタビュアーも相手のペースに合わせてゆっくり話すことをおすすめします。
「リーディング」とは、率先して会話をリードすることです。
「インタビュー」という形式上、会話の進行はインタビュアーが進めるため、リーディングについては特に深く意識する必要はありません。
以上の「ラポールの3原則」を意識しますと、より円滑に被験者とコミュニケーションが取れ「ラポールの形成」がおこなえると考えます。
まとめ
繰り返しとはなりますが、「ラポール(Rapport)」とは、被験者との「信頼関係」のことです。
そして「ラポールの形成」とは、ユーザーインタビューの開始時に「被験者との信頼関係を築くこと」であり、被験者にリラックスしてインタビューに参加してもらうための重要なプロセスとなります。
具体的には、
「本日は少し寒いですが、天気がよいですね。」
「ここにいらっしゃるまでに迷いませんでしたか?」
など、インタビューを始める前に当日に関するお話をしたり、インタビューのテーマとは異なる話をします。
そのほかにも、飲み物を準備したり、お菓子を準備しておくことも、被験者がリラックスすることに効果があります。
さらに、より「ラポールの形成」をおこないたい場合は「ラポールの3原則」である、
- 原則1:相手を尊重すること
- 原則2:類似性・行動の同調
- 原則3:ページングとリーディング
を意識することをおすすめします。
「ラポールの形成」は、そのあとのインタビューを円滑に進めるためにも重要なプロセスですので、ぜひインタビューをおこなう際は実践してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回の記事は以上です。
この内容がみなさんのUXデザインの勉強になりましたらうれしいです。
引き続き、UXデザイン、UIデザインの勉強を一緒にしていきましょう。