この記事から得られること
この記事では、「ヤマトグループのVI(Visual Identity)の変更」について、私が考察しました「VIを変更した本当の狙い」を解説します。
なお、この記事は「約5〜8分」で読める内容となっています。
この記事の前提
この記事で述べている内容は、分析した内容が含まれていますが、あくまで「私の個人的な予想」であることをご認識おきください。
VI変更の概要
出典:クロネコのマークが少し変わります。|ヤマトグループ
URL:https://www.yamato-hd.co.jp/pr/logo2021/
まずは今回のヤマトグループの2つの「VI(Visual Identity)の変更」について簡単に紹介します。
1つ目の変更として、長年使用していた「シンボルマーク」と呼ばれるロゴを変更しています。
そして2つ目に、「アドバンスマーク」と呼ばれる「新たな価値を提供をする事業」を象徴するロゴを、新たに作成しています。
出典:クロネコのマークが少し変わります。|ヤマトグループ
URL:https://www.yamato-hd.co.jp/pr/logo2021/
そして上の図のように、配送トラックやグッズなどに「シンボルマーク」が適用されます。
なお、VIの変更内容をさらに詳しく確認したい場合は、こちらのWebサイトをご確認ください。
クロネコのマークが少し変わります。|ヤマトグループ
URL:https://www.yamato-hd.co.jp/pr/logo2021/
VI変更のリスクとコストについて
私の考察をお話する前に「VI(Visual Identity)を変更することによる、リスクとコスト」についてお話しておきます。
「VIの変更」には必ず、以下のリスクとコストが発生します。
- 以前のVIの認知度が高く、新しいVIが認知されないリスク
- VIの変更により膨大なコストがかかる
まず、以前のVIの認知度が高い場合、「新しいVIが認知されない」というリスクがあります。
これはどんな「VIの変更」にも起こりうることであり、VIを変更する際は、この「認知されない可能性がある」リスクを理解しておく必要があります。
次に、VIの変更によって、企業では「膨大なコスト」がかかります。
VIを変更した場合、作成済みである印刷物やグッズや制服などを「破棄するためのコスト」が必要になります。
それに加え、新しいVIのために印刷物やグッズや制服を「新しく作成するコスト」や、車両や建物の塗装を「変更するコスト」も発生するため、トータルで「膨大なコスト」が発生することが想像できると思います。
それでは、このようなリスクやコストをかけてでも実施した「VIの変更」には、どのような狙いがあるのでしょうか。
どうしてVIを変更するのか
ここからは私の予想になりますが、大きく以下の「2つの狙い」があると予想しています。
- 狙い1:「無人配送」の普及に向けた「ブランド」認知の強化
- 狙い2:「物流」だけではない新しい事業の計画
それでは、1つずつ説明します。
狙い1:「無人配送」の普及に向けた「ブランド」認知の強化
1つ目の狙いは、「無人配送」の普及に向けた「ブランド」認知の強化、です。
これから時代の流れとして、自動運転による「無人配送」が普及していくことに伴い、「人と人が接する配送」から「人と接しない配送」に変化していきます。
また「人と接しない配送」において、ユーザーが直接触れるのは、その企業の「ブランド」である「VI(Visual Identity)」です。
つまり、ヤマトグループは「人と接しない配送」へ変化していくことを見越して、このタイミングでVIの変更を行なったと、私は予想しています。
出典:ロボネコヤマトが拓く物流の新時代|GEMBA
URL:https://gemba-pi.jp/post-167952
また、「無人配送」の実現の前段階として、過去に「ロボネコヤマト」と呼ばれる「人との非対面の配送」の実証実験をヤマトグループは行なっています。
出典:ロボネコヤマトが拓く物流の新時代|GEMBA
URL:https://gemba-pi.jp/post-167952
「ロボネコヤマト」は、ユーザーが指定したところまで配送車が移動し(運転はドライバーが行います)、ユーザーは非対面で配送車の中のロッカーから荷物を受け取る、というサービスです。
この取り組みからも、時代の流れとして「人と接しない配送」へシフトしていくことが予想できます。
狙い2:「物流」だけではない新しい事業の計画
2つ目の狙いは、「物流」だけではない新しい事業の計画、です。
これは「アドバンスマーク」の作成そのものが物語っていますが、「物流」以外の事業をヤマトグループは計画していると予想します。
例えばですが、「リアルタイム配送」や「自宅までの配送」を活用することにより、単純な物流の「配送」ではなく、「採れたての鮮度の高い果物だけを使った、フルーツジュースの販売」といった事業を行うこともできると思っています。
出典:クロネコのマークが少し変わります。|ヤマトグループ
URL:https://www.yamato-hd.co.jp/pr/logo2021/
その際に「アドバンスマーク」を活用することにより、その事業が「ヤマトグループ」であることをアピールできると同時に、「配送」の強みもユーザーにアピールすることができます。
「アドバンスマーク」は、「物流」以外の事業も行うことを想定し、より抽象度の高いデザインになっていると予想されます。
まとめ
出典:クロネコのマークが少し変わります。|ヤマトグループ
URL:https://www.yamato-hd.co.jp/pr/logo2021/
繰り返しとはなりますが、ヤマトグループのVIの変更において、大きく以下の「2つの狙い」があると私は予想しています。
- 「無人配送」の普及に向けた「ブランド」認知の強化
- 「物流」だけではない新しい事業の計画
個人的には、ヤマトグループが「物流」以外のどのような事業を展開してくるか、を楽しみにしています。
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回の記事は以上です。
この内容がみなさんのデザインの勉強になりましたらうれしいです。
引き続き、デザインの勉強を一緒にしていきましょう。