この記事から得られること
スマホアプリを利用していますと、いろいろなエラー通知が出てきますが、UIデザイナーは、そのエラーの内容をどのように考えて、決めているのでしょうか?
この記事では、「エラー通知」をデザインする際に考慮すべき3つのポイントを「UIデザイナーの考え方」視点で解説していきます。
なお、この記事は5~10分ほどで読める文章量となっています。
この記事の前提
- この記事では、スマホのアプリのUIデザインをベースに説明をしています。
- また、エラー通知の具体的な表示の仕方については紹介していません。
- なお、エラー通知の表示の仕方には、いろいろな方法があります。例えば、ポップアップを表示したり、赤色の文字でエラーの文章を表示する、などがあります。
結論
「エラー通知のUI」をデザインする際、UIデザイナーは以下のポイントを考慮しながらデザインしています。
- ポイント1:いろいろなエラーの原因の中で、どの原因が最も重要かを考える
- ポイント2:エラーの原因に対して「ユーザー自身で解決できる原因かどうか」を考える
- ポイント3:ユーザーの今までの操作を無駄にさせないことを考える
それでは、それぞれのポイントについて、スマホの天気アプリを例に詳しく説明していきます。
ポイント1:いろいろなエラーの原因の中で、どの原因が最も重要かを考える
みなさんはデータ通信をおこなうアプリ(例えば天気アプリ)を利用していて、情報が更新できなかった経験はありませんか?
天気アプリの場合、天気の情報が更新されない原因はいくつか想定されます。例えば、
1. 電波状況が圏外
2. 機内モードがONになっている
3. Wi-Fi設定がONだが、Wi-Fi圏外
などがあります。
UIデザイナーは、この原因の中で、どの原因が最も重要で、根本的な原因となるかを検討する必要があります。
この原因を考えた場合、2番目の「2.機内モードがONになっている」を先に解決したとしても(機内モードをOFFに変更したとしても)、1や3の状態の時では、天気情報を更新することは結局できません。
したがって、まずチェックすべきなのは、「電波状況が圏外」「Wi-Fi圏外」状態ということになります。そして次に、2の機内モードによって圏外になっているかをチェックするという流れになります。
この原因の重要性を検討することにより、まず最初にどんなエラー通知をすべきかを検討することができます。
ポイント2:エラーの原因に対して「ユーザー自身で解決できる原因かどうか」を考える
エラーの原因が分かったのち、その原因に対して、「ユーザー自身で解決できる原因かどうか」を考えます。
例えば、「電波状況が圏外」の場合は、ユーザーにはどうすることもできませんので、圏外である旨の通知だけを行うことになります。
また、「機内モードがON」の場合はユーザーの操作によって解決することができます。そこで、エラー通知を行う際に「機内モードをOFFにしますか?」など、ユーザー操作を促す通知案もあります。
ユーザーが自分で解決できるエラーに対しては、エラー通知のときに解決策を示すかどうか検討するのが望ましいと考えます。
ポイント3:ユーザーの今までの操作を無駄にさせないことを考える
操作が完了できない旨のエラー通知を表示した際に、ユーザーがすでに何かしらの操作を行っていた場合、その操作は無駄になってしまいます。
例えば、天気アプリにて、新しい地域を登録するとします。ユーザーはまず地域名を入力し、検索ボタンをタップします。もし検索ボタンをタップしたあとに「圏外です」とエラー通知をした場合は、その地域名の入力作業が無駄になってしまいますので、地域名を入力する前に、「圏外である」旨を通知するのが望ましいと考えます。
まとめ
繰り返しとなりますが、「エラー通知のUI」をデザインする際に考慮すべきポイントは、以下の3つです。
- ポイント1:いろいろなエラーの原因の中で、どの原因が最も重要かを考える
- ポイント2:エラーの原因に対して「ユーザー自身で解決できる原因かどうか」を考える
- ポイント3:ユーザーの今までの操作を無駄にさせないことを考える
3つのポイント以外にも考慮すべきポイントはあるのですが、「UIデザイナーが考えていること」という視点で、今回は3つのポイントを紹介しました。
なお、エラー通知は重要なUIなのですが、表示しすぎても、ユーザーにとってわずらわしく思われるケースもあるため、表示量も含めて、どのように表示すべきかは、別途検討する必要があります。
UIデザインの勉強として、普段ご自身が使っているアプリで、どのようなエラーが出るのか見てみるのもよいと思いますので、ぜひ試してみてください。